NASCARの花型であるリストリクタープレートレースにおいて、前回は「リーディングドラフト」を解説しました。
後ろにマシンがいる事により、前の車の空力において整流効果が発生するというのがリーディングドラフトです。それに対してバンプドラフトは「後ろの車が前の車を押す」という単純明快な技です。NASCARの形状だと2台合体も出来ます。2台合体して走れば、2機のエンジンで空気抵抗に挑むわけですから速くないわけがありません。
プレートレースはアクセル全開の擬似直線レースなので、1周丸々後ろから押し続ける事も可能でした。2台1組でずっと走るのはタンデムドラフトともいいます。
ただ終始タンデムドラフトで走られるとレースが単調になります。そこでNASCAR側はバンプドラフトを制限しようとマシンレギュレーションを変えました。具体的にはエンジンを冷やすための空気の取入口を小さくしました。バンプドラフトをし続けると後ろの車はエンジンの冷却が上手く行かず、やがてオーバーヒートしてしまいます。
バンプドラフトとリーディングドラフトの両方を上手く使うのがリストリクタープレートレースの肝となっています。