戦術に関してはベッテル陣営にミスがあったように思えます。それは最後のピットストップです。ピットに入ればライコネンとアロンソ(ウェバー)の間に入る状況でした。ライコネンをコース上で抜くなら「タイアの状態の差をつける」という発想が必要でした。具体的にはピットにもっと遅く入れば入るほどライコネンに対してタイア状態をつける事が出来ます。
どれくらい遅く入ればいいかと言えば
・ピットアウト後残り3周でライコネンに追いつけるようなタイム差
・ピットでアロンソとウェバーに抜かれない事
以上の事を考えれば少なくともあと4周は引っ張るべきでした。
ベッテルのピットタイミングは理論上の最速ですが、残り10周ライコネンに押さえられる結果となりました。今のF1はDRSやカーズがあるのでハンガロリンクですらオーバーテイクは可能です。
抜くための手段が「ピット回数を少なくする」のと「アンダーカットに出る」の2つしか思いつかないのは稚拙だと思います。
それ以上に稚拙なのはレーススチュワードですね。グロージャンへのペナルティはシケイン不通過に対して与えられないといけないのに、正当なオーバーテイクに対してペナルティが与えられました。F1は「レース後に審議」という無能な人間でも務まる制度があるのに、それでも誤審をするのはあまりにも次元が低いと思います。レース内容自体は面白いだけに残念です。