2013年7月29日月曜日

NASCAR観戦入門講座「ラフドライビング」

荒くれ者の巣窟であるNASCARにもルールと秩序は存在します。「ラフドライビング」はいわゆるドライビングペナルティです。ペナルティの基準は他のカテゴリーとは全く異なります。
マシン同士がクラッシュしてもそれは「レーシングアクシデント」として処理されます。NASCARはぶつからないと抜けないような小さなトラックがあるので、ぶつかる事を前提としたクルマ作りやルール作りがなされています。

「ラフドライビング」はレーシングをしていたら起こらないレベルのアクシデントを引き起こしたドライバーに与えられるペナルティです。ゆえにナカナカお目にかかれません。他のカテゴリーでやったらライセンス停止レベルの走行をした場合に与えられるものなので、見れたらラッキーだと思って下さい。

接触やクラッシュの大半が「レーシングアクシデント」として処理されるNASCARは、走行のマナーが他のカテゴリーと大きく異なります。例えばブロックです。フォーミュラーカーのレースだと「直線で数回進行ラインを変えては駄目」というようなルールがありますが、NASCARはそういうルールはありません。ブロックしたければ好きなだけブロックしてもルール上何ら問題ありません。
しかし、NASCARの一流ドライバーはブロックを行いません。何故なら後ろの車がブレーキを遅らせて前の車にぶつけても何ら問題がないからです。NASCARのバトルに接触のペナルティが無い以上、自分の思うがままにぶつけられる後ろの車の方が有利だと考えられています。そのため前を走る車はブロックなんてせずに、後ろの車を引き離そうとレコードラインを全力で速く走るのがNASCARの作法です。

NASCARの経験が浅いドライバーはついついブロックしてしまいますが、後ろを走るドライバーから色々な制裁を受ける事になります。それもNASCARの見どころです。